
こんにちは、獣医師の林です。
春らしい日が続くようになりましたが、皆様ご体調はいかがでしょうか。
今季は突然夏のような暑さだったかと思いきや冬のように冷え込んだり…お体にもかなり負担がかかっているように感じています。
さて、この時期になると人も悩まされるのが花粉症。
地域によって花粉の種類も変わりますので、とある地域では花粉症を発症するけどこちらでは発症しない…なんていうこともあります。
ここ数年は毎年花粉の量が増加傾向にあり、飼い主様だけでなくワンちゃんも花粉症を発症している子が増えてきました。
【目次】
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- ワンちゃんと「花粉症」
- 対策①お散歩時のケア
- 対策②環境中のケア
- 対策③食事のケア
- まとめ
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1.ワンちゃんと「花粉症」
人は鼻水やくしゃみなどが目立ちますが、ワンちゃんの場合には皮膚のかゆみや目の充血などのほうが目立つように感じています。
皮膚の痒みで引っ掻くことが増え、傷からその他の感染症を引き起こしてしまったり、舐め壊しなどによって脱毛箇所が見られているような子もいらっしゃいます。

花粉症もアレルギーの一種になりますので、日々の腸活でアレルギー症状が軽減したりすることもありますが、腸活は一筋縄ではいかず根気が必要。
腸活は花粉症だけでなく、様々な病気の予防になりますので是非取り入れていただきたいところではありますが、花粉症の症状を少しでも早く取り除いてあげたい!!という場合、以下のポイントを見直して見てください。
2.対策①お散歩時のケア

私たちと違い、ワンちゃんたちは被毛がありますので被毛部分に花粉が付着してしまいますので、お散歩時にお洋服を着せて極力花粉をつかないようにさせることで症状軽減につながります。
最近は機能性のお洋服も増えてきて、花粉が付きにくい材質で作られているものも出回ってきております。
季節によってお散歩時のお洋服を適切に選ぶことが、皮膚症状軽減につながると考えられます。

ただ、どうしてもお洋服を着るのが難しいという子の場合には、おうちに入る前にブラッシングで花粉を落とし、家庭に持ち込ませないことも重要です。
また、お洋服を着ていたとしても足先やお顔回りには花粉が付着したままになりますので、タオルで拭くなどして取れる花粉はしっかりと取ってあげましょう。
目の中に入ってしまった花粉などは、人工涙液などを使って洗い流してあげましょう。
市販のものもありますし、動物病院さんでも処方可能ですので、かかりつけの先生にご相談されてみてください。
3. 対策②環境中のケア

こちらは人と同じです。
空気清浄機を用いて花粉を除去したり、また加湿器を利用することで花粉が舞い上がることを防ぐことも可能です。
掃除機や拭き掃除などでお部屋の花粉を取り除くだけでなく、カーテンやラグなども花粉が付きにくいような素材のものに切り替えるなどの工夫をすることで、花粉症の症状軽減にもつながります。
4. 対策③食事のケア

皮膚や粘膜を守ること、炎症ケアをすること、腸活でアレルギーを軽減していくことでも症状軽減が可能です。
皮膚や粘膜ケアにはタンパク質、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどが挙げられます。
タンパク質はお肉やお魚をしっかり食べてくれていれば問題ありません。

ビタミンAはレバーや緑黄色野菜に多く含まれおり、ビタミンCやビタミンEは南瓜やブロッコリー、ブルーベリーなどに多く含まれておりますので、日ごろのごはんやおやつに取り入れてみてください。
炎症ケアにはオメガ3が有効ですので、サーモンオイルやクリルオイル、クジラオイルなどを活用してみましょう。

腸活には水溶性食物繊維やオリゴ糖、乳酸菌などを意識してみてください。
逆に、高脂質なものや高糖質なもの、添加物が豊富なものなどは花粉症を悪化させる要因ですので、日々の食事内容やおやつの種類などの見直しも行ってください。
【まとめ】

ワンちゃんの花粉症の対策を3つご紹介させていただきました。
毎年悩まされる花粉症の季節を少しでも楽に過ごせるよう、是非取り入れられそうなところから取り入れてみてください。