
こんにちは、獣医師の林です。
陽が落ちる時間もだいぶ遅くなり、新緑も芽生えて爽やかな風を感じられるようになってきた5月。
散歩も気持ちの良い季節になりましたね!
こんなさわやかな陽気のもと、忘れがちなのが絶えず降りそそぐ『紫外線』です。
今回は、『犬の紫外線対策』についてお話していきます。
【目次】
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- ワンちゃんと「紫外線」
- ①食事で出来る対策
- ②過ごし方での対策
- まとめ
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ワンちゃんと「紫外線」
私たちは日常的に様々な方法で紫外線対策を行っていますが、実は犬も人間同様、紫外線の影響を受けます。
紫外線には、UV-A、B、Cと3種類存在しており、このうち皮膚に影響を与えるのがUV-AとUV-B。

UV-Aは、より肌の奥深くに侵入し皮膚に蓄積されてゆっくりとダメージを与えるため、皮膚に存在するコラーゲンを変性させることでたるみを生んだり、メラニン細胞の沈着を促進させます。
日焼けで皮膚が黒くなるのはこの影響ですね。

これに対し、UV-Bは比較的短時間で皮膚にダメージ与えるものなので、日焼け直後の皮膚の赤み、ヒリつきはこちらが影響します。
そして恐ろしいのが、発がん性を持つということ。
日々の紫外線対策を行うことが、我が子の健康を守ることにもつながるのです。
では、日常的にどのような紫外線対策ができるでしょうか?
①食事で出来る対策

紫外線やストレスに対抗するためには、次のような栄養素を採り入れた食事が助けになります。
・ビタミンC:抗酸化、コラーゲンの生成を助け、皮膚や結合繊細胞の健康を支えます。
・ビタミンE:紫外線ダメージから皮膚を守ります。
・カロテノイド:ベータカロテンなど。抗酸化作用。体の内側から皮膚や目を守ります。
野菜や鮮鮮な魚類、サプリメントなどをバランスよく食事に組み込んで、内側からの紫外線ケアをしましょう。
②過ごし方での対策

紫外線量が少ない時間帯に散歩をすることが好まれますので、日が昇る前の時間や、日が沈んでしばらく経った時間がお勧めですが、どうしても難しいときには直射日光や照り返しの影響を受けない日陰でのお散歩を心がけてください。

最近は紫外線対策のお洋服やサングラス・ゴーグルなどもありますので、紫外線対策グッズを取り入れるのも良いですね。
また盲点なのがお部屋の中。
UVカットされているカーテンなどを使うことでも紫外線を浴びる量を減らせますので、今一度見直しをしてみてください。
【まとめ】

紫外線=デメリットだけではありません。
紫外線には殺菌作用やビタミンD合成促進作用など、体にとって良いこともあります。
何事もバランスが大事ですので、過剰に紫外線を浴びるということを防ぎ、日々のお散歩・室内での生活を楽しんでくださいね。