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林先生ブログ / 春前に整える!換毛期・皮膚トラブル予防とごはんケア

林先生ブログ / 春前に整える!換毛期・皮膚トラブル予防とごはんケア

こんにちは、獣医師の林です。
少しずつ日が長くなり、春の気配が近づいてくるこの季節。
実はわんちゃんの体の中でも、すでに“春の準備”が始まっています!!

その代表が 換毛期(かんもうき)。
換毛期とは、冬毛→夏毛、もしくは夏毛→冬毛に変化する期間のことを指します。
・夏毛:細くて短く、通気性があるのが特徴。
冬毛ほど密集していないのですっきりした印象。
・冬毛:長く密集して生えているのが特徴で、保温効果が期待。
    量が多くなるためボリュームが出てふわふわした印象。

犬は夏毛と冬毛を生え変わらせることで季節ごとの気温や湿度の変化に対応しており、おおよそ年に2回、春と秋に見られやすい傾向にあります。

「毛が抜け始めたな〜」という見た目の変化だけでなく、体の中では代謝や皮膚のターンオーバーがぐっと動く時期でもあります。

そしてこのタイミングで増えやすいのが…
・かゆみ
・赤み
・フケ
・乾燥
・ベタつき
・なんとなく毛艶が落ちる
などの皮膚・被毛トラブル。

今回は、冬毛から夏毛へと生え変わる春の換毛期前に整えておきたい体の変化と、皮膚を守るごはんケアをまとめてみましたので、是非ご参考になれば幸いです。

1. 2月から始まる換毛期のサインと体の変化

冬毛から夏毛への換毛期の場合、「春になってから」のイメージが強いですが、実際は2月頃から少しずつ始まる子も多いです。

特にこんなサインが出たら、換毛期(冬毛→夏毛)の入口かもしれません。
・抜け毛が増える、ボリュームが減る(ブラッシングの量が増える)
・毛が浮く/ふわふわしてまとまりにくい
・毛艶が少し落ちる
・毛玉ができる
・乾燥して静電気が起きやすい
・皮膚が敏感になり、かゆみが出やすい
・いつもより寝る時間が増える(体が変化に適応中)

換毛期は、体が古い毛を手放して、新しい毛を作り、その季節に対応したお体に変化する時期。
つまり、皮膚と被毛の「作り替え」が起こる、エネルギー消費が多い季節なんです🌿

2. 換毛期に皮膚トラブルが起きやすい理由

換毛期に皮膚が荒れやすいのは、理由があります。
(1)皮膚のターンオーバーが活発になる
皮膚も毛も「作る作業」が増えるため、
栄養が足りないと、バリアが弱くなりやすくなります。

(2)抜け毛+皮脂+乾燥で刺激が増える
抜け毛が絡んで蒸れたり、乾燥してかゆみが出たり、皮膚への刺激が増える時期です。

(3)花粉・ほこり・環境変化が重なりやすい
春前は、目に見えない刺激(花粉・黄砂・ハウスダスト)が増える季節ですので、敏感な子ほど、皮膚の反応が出やすくなります。

(4)腸内環境が乱れると皮膚にも影響しやすい
皮膚の状態は、実は腸の状態とリンクしやすく、東洋医学的にも大腸と皮膚は「表裏一体の関係」ということが分かっています。
換毛期に「お腹がゆるい」「食べムラ」などが出る子は、皮膚にも変化が出ることがあります。

3. 被毛・皮膚の健康を支える栄養素

皮膚や被毛ケアは、シャンプーより先に“材料になる栄養”が足りているかが大切です。
(1)たんぱく質:被毛・皮膚の土台
毛は主にたんぱく質(ケラチン)からできています。
換毛期はいつもより「作る量」が増えるので、不足すると毛艶が落ちたり、乾燥しやすくなります。

(2)オメガ3:皮膚のバリアと炎症バランスに
皮膚の“ゆらぎやすい時期”には、オメガ3が心強い味方。
・乾燥しやすい
・かゆみが出やすい
・赤みが出る
といった症状が見られる子の場合、食事の脂質バランスが大切になります。

※犬種によっては脂質代謝が苦手な子もいらっしゃいますし、脂質制限が必要な疾患の子もいらっしゃいますので、獣医師と相談の上取り入れることをお勧めします。

(3)ビタミン類:肌の再生と保護
皮膚のコンディションに関わるビタミンは色々ありますが、特に意識したいのは
・ビタミンA:粘膜・皮膚の健康:
・ビタミンE:抗酸化
・ビタミンB群:皮膚代謝のサポート
の3つです。

換毛期は「作り替えの季節」なので、不足すると乾燥・フケ・毛艶低下につながりやすいです。
ただし、ビタミンA、Eは脂溶性のため、過剰摂取は禁物。適切な摂取を心がけてください。

4. 食事でできる皮膚・被毛ケア

 

換毛期の食事ケアは、「皮膚だけを見て対策する」よりも、体全体の流れを整えるのがポイントです。

まずは基本事項として、「腸を整える」ということ。
皮膚が荒れる前に、食事でできることは、消化の負担を減らして、腸を整えること。
換毛期は意外と、胃腸が疲れやすい時期でもあります。

・食べムラ
・軟便
・お腹のキュルキュル音
・草を食べたがる

こういうサインがある子は、まず腸から整えるのが近道です。

そして、薬膳の考え方を取り入れることもお勧め。
春前は「巡り」と「潤い」を意識してみましょう。

東洋医学では、春は「巡り」が活発になる季節。
換毛期はまさに、体の中が切り替わるタイミングです。

だからこそ意識したいのは
・巡りをよくする(滞りを作らない)
・締め付けない(パツパツのお洋服はNG)
・乾燥しやすい子は潤いを守る
・熱がこもりやすい子は落ち着かせる

皮膚トラブルが出る子ほど、「乾燥」だけでなく「内側の熱」や「巡り」も関係していることがあります。

<まとめ>

春前の換毛期ケアは、何かを新しくスタートしていくというよりは、

毎日の積み重ねが一番効きます。

・たんぱく質をしっかり満たす
・オメガ3を意識して脂質バランスを整える
・ビタミン・抗酸化の視点で「皮膚を守るごはん」にする
・腸を整えて、皮膚のバリアを内側から支える
・温度・水分・消化の負担にも目を向ける

このあたりを意識すると、換毛期の「抜け毛が異常に多い」「かゆい」「荒れやすい」といったトラブルがぐっと落ち着きやすくなります。

春の皮膚トラブルは出てから対策するより、出る前の2月〜3月の整えが大切ですが、春はデトックスの季節ということを考えると、先取養生として1月下旬くらいから少しずつ対策をスタートしたいところ。

今年の春は、やさしく整えて、ふわっときれいな毛並みで迎えましょう。

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