
こんにちは、獣医師の林です。
暦上は『大寒』と言って、一年で最も寒い時期に入りました。
とはいえ、今季もなんだかおかしな気温…寒暖差でご体調崩してしまわないよう、日々の我が子の変化をキャッチしてあげてください。
さて、今回のテーマは暑がりさん・寒がりさんについて。
夏はクーラー、冬は暖房で温度管理をしてねとお伝えしておりますが、人も暑がり寒がりがいるように、ワンちゃんたちにも暑いのが苦手、寒いのが苦手…と個体差があります。
今回は記事をvol.1、vol.2の2つに分けてご紹介させていただきます。
【目次】
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- 暑がりな犬種
- 寒がりな犬種
- 多頭飼育の温度管理はどうしたらいい?
- vol.2はどんな内容?
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1.暑がりな犬種

犬種でも差がありますが、皆さんがイメージしやすいのは鼻ぺちゃさん達。
鼻ぺちゃ犬種(短頭種)さんたちは鼻が短く、鼻の奥の鼻腔というところの作りも煩雑なため、呼吸で熱を逃がすということがとても苦手なので、暑がりさんの傾向が見られます。

その他長毛種さんや北欧犬種の子、ダブルコートの被毛の子なども熱がこもりやすい傾向にありますので暑がりさんの子が多い印象です。
体格で言えば、ぽっちゃりさん(肥満)も、体温がこもりやすく暑さに弱い傾向があります。
2.寒がりな犬種

寒がりさんの特徴としては、被毛が短い子(短毛種)や体温調節が苦手なパピーさんやシニアさん、脂肪が少ない瘦せ型さんなどが挙げられます。
熱を作り出すことが苦手だったり、また熱を蓄える力が弱いことが原因となります。
3.多頭飼育の温度管理はどうしたらいい?
生活環境の温度や湿度を変えてあげることで、暑がりさん・寒がりさんも快適に過ごせるようになりますが、温度や湿度の設定がとても難しいのが多頭飼育のご家庭です。

みんなが暑がりさんor寒がりさんであれば良いのですが、暑がりの子もいれば寒がりの子もいる…というご家庭も多いかもしれません。
その時にはどのような温度・湿度設定にしたらよいのか?
それは、
『暑がりさんに合わせる』
が正解になります。

暑い=熱がこもる状態のとき、私たち人間もですがワンちゃんの体もタンパク質で出来ています。
タンパク質は熱によって変性しますので、熱がこもってしまうことで体のタンパク質が変性してしまい、働くことができなくなります。
所謂、熱中症の状態ですね。

逆に、寒い=体温が下がる状態になりますので、低体温の状態になりますが、熱中症で亡くなるリスクと低体温で亡くなるリスクで考えると、熱中症で亡くなるリスクのほうが圧倒的に高くなります。
そのため、暑がりさんが快適に過ごせる温度・湿度設定にしつつ、寒がりさんにはお洋服を着せてあげたり、湯たんぽやブランケットを置いて暖まれるスペースを作ってあげることで、どちらも快適に過ごすことができる空間を作ることができます。
【vol.2はどんな内容? 】
vol.1では、暑がり・寒がりな犬種についてや、多頭飼育している場合はどうしたらいいかについての記事を掲載させていただきました。

次回のブログvol.2では、暑がり・寒がりを踏まえ、【食事】の面にフォーカスした続きの記事を掲載させていただきます。
楽しみにお待ちください!✨